昨年、個人的に司馬遼太郎ブームが来ました。

燃えよ剣、竜馬がゆくの幕末時代を読みどっぷりハマりました。
燃えよ剣は、新撰組副隊長土方歳三の生涯を通して新撰組の活躍が読める一作です。土方歳三が、しぶくて本当にかっこいいんです。

竜馬がゆくは、坂本竜馬が明治維新を起こすまでの奇跡を描いた作品で、孫正義が志を持ったきっかけとしての本でも有名ですね。8巻まであり読み応え抜群ですが、必読の面白さです。




そして今年に入り、司馬遼太郎の著書の中でも人気の高い戦国3部作を読んだので、簡単に書評とランキングをつけてみました。


①国取り物語
②新史太閤記
③関ヶ原


この3つですね。それではどうぞ。



①国取り物語 1〜4巻

この物語は、1〜2巻は織田信長のおじにあたる斎藤道三の終生を記しています。3〜4巻は明智光秀を主人公に仕立てて光秀の考え、感じ方を通して織田信長の人物像を語っている構成です。

斎藤道三は美濃のマムシという異名で有名だそうですが、僕はこの小説で初めて知りました。ただ戦国時代の始まりは斎藤道三にありというくらいで、一文無しの斎藤道三があらゆる権謀術を駆使し題名通りに国を取って行く様子は読んでいて非常にワクワクします。斎藤道三は戦の名人であると同時に女たらしの名人でもあり、次々に女を自分の虜にしていく演出やトークは非常に勉強になります。油屋を営んでいる店の美人女将を落とすまでの話は非常にワクワクしますよ。

3〜4巻では、信長の幼少時代から描かれており、有名な桶狭間の戦いや鉄砲隊の結成から、どのように国を広げていくかの戦略的な部分まで細かく描かれています。さらには光秀はどうして信長を裏切ったのか、人間的な憎しみの感情まで細部に渡り描かれております。登場人物も非常に豪華で部下になる豊臣秀吉が登場したり、徳川家康と共に戦ったり、歴史に詳しくない方でも楽しめる1冊になっています。

2巻ずつで別の話になっていて非常に読みやすいので、司馬遼太郎デビューにも非常におすすめです!




②新史太閤記 上下巻


続いては「太閤記」です。太閤になるまでの豊臣秀吉の生涯を描いた作品で、個人的には3部作の中で一番好きな作品です。

秀吉は幼少の頃恵まれない環境で育ち、お金も人脈も本当に何もないところから天下を取ります。坂本竜馬は良い家のボンボンでいわば自分のやりたいことをできる環境にありましたが、秀吉はそうではないです。稀代の人たらしと呼ばれた秀吉の他人への取り入り方や、利での人の動かし方の描写は見物です。戦に関しても信長ですら思いつかないような方法で次々に勝利していきます。

秀吉の人は利益でのみ動かせるという考え方は現代のビジネスにも参考にできる部分が非常に多いのではないでしょうか。岡田君がドラマで演じた黒田勘兵衛や石田三成や加藤清正等有名な武将もたくさん登場します。

信長の武器は人材の長所を見抜き適材適所に人を充てるというところでしたが、秀吉の武器は圧倒的なコミュニケーション能力です。作中での秀吉のコミュ力は本当に勉強になるので、下手なビジネス書を読むくらいなら是非太閤記を読んでください。




③関ヶ原

最後は日本史史上最大の戦である関ヶ原の戦いを描いた「関ヶ原」です。
新政権を狙う徳川家康率いる徳川軍 対 豊臣政権を守ろうとする石田三成率いる豊臣軍の天下分け目の大戦で、徳川軍約88,000人、豊臣軍は約83,000人の非常に壮大なスケールの戦をしっかり描いてくれています。

この作品の見所は石田三成の戦略と参謀である島左近の戦術の「最強の戦略×戦術」の組み合わせ、そして秀吉の死後と言えども豊臣配下の武将を味方の軍に引き入れてしまう徳川家康の政治術です。物語は最後まで、どちらに転ぶか分からない展開で、戦の描写のシーンは戦国時代に入り込んだかのような錯覚に陥るほど圧倒的スケールで描かれています

この物語も秀吉への恩を思い秀吉軍に加担する武将もいれば、家康のもたらす利に転んでしまう武将もいて、人間にはいろんな人がいるという人間論の勉強になります。また家康の権謀術数の数々は現代社会に当てはめられる状況も多く、非常に勉強になります。



余談ですが関ヶ原といえば、ただ今両国の江戸東京博物館で開かれている大関ヶ原展は是非行きたいですね。石田三成の刀や、島左近の兜、戦国最強の武将本多忠勝や徳川家康の具足(鎧)など、ファンにはよだれ物の作品だらけです。戦中の裏切りの伝書や勝敗を真っ向から変えてしまった勧誘の手紙なども必見ですね。
http://sekigahara2015.com/
 





以上、作品の面白さとしては
①太閤記②国取り物語③関ヶ原の順番ですが、全て非常に面白いので時代の順番通りに、
①国取り物語②太閤記③関ヶ原の順で読んでほしいです。


どの物語でも男としての生き様を見せつけてくれ、絶対に読んで良かったと思います。

やはり男として生まれたからには戦国時代の武将のように熱く、太く生き、大きなことを成し遂げたいものです。
燃えよ剣、竜馬がゆくと併せてこの3冊を読めば、人生の参考にしてなりたい男の像が必ず見つかると思います。

共に幕末の志士、戦国武将の様な気概を身につけて現代社会を生き抜きましょう。


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